1年ほど前に狭いけど駅近で家賃そこそこという物件がにわかにブームになっているのをテレビで知りました。
上記、日経新聞でも同様の駅近極狭物件の記事が出て反響が大きかったようです。
ヤベェ、どう考えても若者の貧困問題なのに「物質的な豊かさとは異なるものに価値を見いだす人々が増えている表れ」とか書いてる:わずか3畳「極狭物件」 無駄ない生活、若者に人気 :日本経済新聞 https://t.co/jpWOxoohsW
— イスラエルエリカちゃん (@syuu1228) February 2, 2020
わずか3畳「極狭物件」 無駄ない生活、若者に人気 :日本経済新聞 https://t.co/6Qp3wqF3IY こういう部屋しか借りれんだけやろ。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) February 1, 2020
こういう意見もよくわかります。
しかし、手取りが5万円上がったら、その分広い部屋、システムキッチンのある部屋に住むか?と問われると住まないんじゃないかと思いますね。
シンプルな貧困問題じゃなくて、ライフスタイルの変化が極狭物件が受け入れられて、増えているのだと思う理由を紹介していきます。
モノが必要なくなった
テレビ、DVDレコーダー、パソコンなど、様々な機器を所有していましたがスマートフォンのみでも問題がない場面が増えました。
スマートフォンだと画面が小さい場合はタブレットがあれば十分という人がほとんどではないかと思います。
スマートフォンで映像コンテンツはほぼほぼ網羅できるようになったので映像を見る娯楽はこれ一台で十分になりました。
最近だと、投資型フランチャイズのコインランドリーが街中に増えたのもあり、洗濯機も必要ありません。
ウチの近くのコインランドリーはオシャレカフェみたいな内装で、下手なカフェにいくよりも快適そうですし、洗濯から乾燥までできるので時短にもつながります。
僕個人でいうと、以前は本が大量にありましたがKindleやKoboで電子書籍化したことで本自体の所有もぐっと減りました。
DVDを集めていましたが、それもAmazon PrimeVideoで十分と感じて、ブックオフに売ってしまいました。
仕事用・私生活用の服ぐらいで、所有しなければならないモノが減ったので極狭物件でもいいというのが一番の理由と感じたので最初にあげました。
時間の価値に気づき始めた
都心から離れるほど、駅から離れるほど、賃貸物件の家賃は安くなる傾向にあります。
1LDKがいい、オートロックが安心、駅近に住みたいといった希望の条件を満たすために都心から遠いところ、なんなら乗り換えが複数回あるような駅に住む人は少なくありません。
なぜなら、正社員なら満額交通費負担してくれる会社が少なくありません。
遠くに住んでも近くに住んでも、交通費を出してくれるのなら長時間の通勤さえ我慢できれば広くて、築浅、宅配ボックスがあって、24時間ゴミ出しができる家に住むことだってできるのです。
少し前までは収入を全て会社員としての給料でまかなっていた人がほとんどでしたが、近年の副業解禁の流れがあります。
夜7時30分に仕事が終わって通勤手当が出るから職場から家まで2時間30分かかるところに住むと帰宅すると夜10時、食事、風呂にはいるくらいしかできません。
会社まで30分の場所に住んでいる人なら、夜10時までの2時間、動画編集の副業で1日3,000円の収入が得られるとするならば月に10日で30,000円の収入を得ることができます。
身動きの取れない電車に2時間30分揺られている時間を、有効活用することでお金に変える実例がtwitter上でもちらほら見ますからね。
uber eatsの自転車は街中でよく見るので、とっとと仕事を切り上げて、空いた時間で自転車で一稼ぎしている人はそこそこいるのでしょうね。
個人が時間をお金に変えやすい時代になったのを肌感覚で分かり始めた人が多いのかと思います。
ポイント
残業をしてお金を稼ぐよりも、充実感を得られることでお金を稼ぎたい人が増えているんだと思います。
極狭とはいえ安い物件ではない
今回、日経新聞で紹介されていました笹塚の極狭物件ですが、家賃は安くありません。
部屋は狭いし、バスタブはなくてシャワールームでありながらも家賃3万円とかじゃないんです。
新宿まで徒歩で通えるとはいえ6万円そこそこします。
ガチでお金がなくてという人は東京23区外の駅から徒歩20分以上の築古家賃3万円代の物件に住んで家賃を下げるので、貧困問題とまた別な気がしますね。
笹塚と同じ京王線上だと、千歳烏山よりも西側の普通駅にいけばこの極狭物件よりも広くて、風呂トイレ別、築浅のワンルームで6万くらいの物件はあったりします。
新宿まで電車で20分かけて快適なワンルームに住むか、新宿まで徒歩10分で極狭ワンルームに住むか、個人の価値観だけです。
↑新宿までうまく乗り換えできれば20分程度で着く京王線 仙川駅 徒歩13分、築4年と築浅。さらに、風呂トイレも別です。
この物件でも管理費込みで6万5000円、笹塚の極狭物件よりも安いです。(2020年2月4日現在)
効率を求めて、モノをなくして、通勤時間を減らす生き方が苦じゃない人が増えていると思います。
キングサイズのベッドに、L字のでかいソファーをおいて、3口のコンロがあるキッチンの部屋に住むよりも、狭いけど自分の必要なものだけで会社近くで時間を有効活用できる環境に価値を感じる人が増えているんじゃないでしょうか。
注意ポイント
価値観は環境、年齢によって変わります。今、極狭物件がいいと思っていても将来は考え方が変わるかもしれません。その時々にあったライフスタイルとして極狭物件も有りと考える人も少ないのではないでしょうか。
最後に
極狭物件が満室になるのは時代の変化があるんだと思います。
僕のようなアラサーだと、周りの同い年で車を持っている人は自動車メーカーに勤めている友達だけだし、タバコを吸う人もいません。週末に欠かさず居酒屋でいっぱいやる人もいません。
そういう人と友達になりにくい傾向があるのは事実ですが、こういう人多くありませんか?
一方でちょっと上、氷河期、バブル世代あたりだとタバコ、酒、持ち家、車保有みたいな人は多いですからね。
長くなりましたが、極狭物件が苦じゃない。むしろ、そっちの方がいいという価値観の人たちが世代的に増えてきていると思います。
僕も極狭物件でも気にしません。20代の頃に3年間、風呂トイレ共同のぼろっぼろの6畳一間に住んでましたけど、寝に帰るだけだったのもあってか辛いとか、引っ越ししたいとか思いませんでしたからね。
金がないからこんな狭い部屋しか住めないんじゃなくて、モノが必要なくなったので広さは必要なくなり、職場、学校など毎日通う場所の時間を優先しての物件選びで貧困問題とか言っている人はちょっと違うんじゃないかと思いました。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。