劇団よつば座

座長がいなけりゃ、演劇もしない。

才能・センスがなくて悩んでいる人は読むな「西荻窪ランスルー 3巻」

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低収入・激務で取り上げられるアニメーターを題材にした作品の第3巻目です。


今話題になっている作品かといえばそうではないのだけど、登場人物はほぼアニメに関わっていてアニメがどうこう語られているというよりその業界ならではの悩みが深く切り込まれていて、今売れてほしい一冊です。


センスがない伸び悩んだクリエイター


なぜ、3巻なのか。本巻内にピックアップされたエピソードで才能・センスがないクリエイターが登場します。


本編の主人公は入社4年目でそこらの会社なら新人は卒業、中堅に差し掛かっているくらいですね。


アニメ製作会社は入社すると原画と原画の間の絵を書く動画マンになり、そこで修行し(食えない低賃金で)試験を経て原画マンになります。
その原画マンになる試験を5年落ちると業界から足を洗う通例があり、本編主人公は試験に4年落ち続けています。


同期は優秀な原画マンをして活躍し、後輩には頼みづらい年上部下として煙たられていく中でどんどんとこじれていく自我、他人に当たってしまうことでさらに増す自己嫌悪は・・・ああ、こういう人、職場に1人いるかもと身近な誰かを想像できる人も多いかもしれませんね。

センスって何?


この問いかけは1〜2巻でちょいちょいされているのでそれも読んでいただきたいですが、真正面から向き合ったのはここが初めてかもしれません。


努力で磨けるものはあるのだけど、その原石の大きさや輝き方は人それぞれ。
野球でもバットでボールを的確に当てたり、ボールを早く投げることは努力で能力をある程度までは伸ばせるかもしれないけど、一流の言われている結果が残せている人は努力以外の他の人にはない「何か」を持っているはずです。


その「何か」がセンスと言われているとすると目には見えず、数値で測れやしないからこそ自分にセンスがあると信じ、時間や労力を重ねるわけです。


クリエイターさんや広告代理店のような、終わりがない創造性の高い仕事でセンスがないと感じている人、人に詰められていて悩んでいる人は手に取るのはやめましょう。メンタルが死に追いやれます。



本編を読みながら上司、同僚、後輩、そして自分自身のいろんな立場に当てはめながらどうやって消化していくのかを想像しながら見てほしいです。

でも、明るい作品ですよ


こうしてみると「西荻窪ランスルー」はアニメーターの厳しい現実をひたすら書いてる作品に見えるでしょうけど、ポップでかわいくて楽しい場面も多いです。
その反対として、暗くて重い現実があるからこの作品自体が引き締まるのでしょうね。


オタク的な要素はかなり少ないというかほぼありません。
専門的な職業モノとして万人受けすると思うのですけど、どうでしょうか。


あ、そうそう、本作品の主人公は高校出たての女の子です笑
1巻は主人公の女の子がアニメ製作会社に面接を受けるところからこの女の子の目線で読者はアニメーターとはどのような仕事かを感じ取ることができて、いや、この業界・職場ヤバいやろという場面多いですよ!


まだまだ、3巻なので追いつけます!
そして、ダ・ヴィンチあたりの雑誌で特集されてほしいなー。もしかするとすでに特集されてるのかな?


街の小さな書店だと見つからないかもなので紀伊国屋みたいな大型書店かアマゾンで入手してみてくださいね。